アフリカで展開する企業が取り組みを紹介
ジェトロは5月29日、世界銀行と経済産業省と「アフリカ・ビジネスの新潮流―企業が変えるアフリカ―」と題したシンポジウムを開催した。
冒頭では、ジェトロ理事長の林氏が「資源開発が進展しアフリカブームが起きているこの絶好期に、アフリカビジネスの現状と将来性を日本企業に伝えたい」と開催の目的を説明した。続いて、日本・アフリカ連合友好議員連盟会長で元内閣総理大臣の森喜朗氏が「近年、中国やインドも官民連携でアフリカ進出に躍起になっているが、日本は30年以上前の1993年からTICADという枠組みを有しており、アフリカ支援では国際社会の先駆者だ」と述べ、一層の取り組みに期待を示した。エチオピア首相のメレス・ゼナウィ氏は、エチオピアやケニアなどでジェトロが品質管理指導を行っている切り花産業の対日輸出量が急速に伸びていることを指摘し、「日本の花農家も早く政府と共に進出してほしい」と訴えた。経済産業大臣の甘利明氏は、近年のアフリカの高い経済成長を認めつつ、農業の生産性と経済成長の持続性に課題があると指摘。「治安の安定やインフラ整備など、日本がアジアで取り組んできた経験を生かし、投資のみならず貿易の倍増を目指したい」と述べた。
三菱商事や小松製作所、日揮、スタンダード銀行、日立建機、トヨタ自動車など、アフリカで事業を展開する企業の代表者を迎えたパネルディスカッションでは、アフリカビジネスの現状やそこから浮かび上がるアフリカ市場の将来性、課題、今後の官民連携の在り方について報告や質疑応答が行われた。また、CSRに焦点を当て、日本政府や企業、アフリカ諸国の取るべき行動についても議論が交わされた。
『国際開発ジャーナル』2008年7月号掲載記事