IDJ読者セミナー「国際協力事業の実施と安全対策」を開催

 バングラデシュ・ダッカで日本人コンサルタントが犠牲になった痛ましいテロ事件を踏まえ、「国際協力事業の実施と安全対策」をテーマとした2016年度第2回「IDJ読者セミナー」を、12月7日に都道府県会館(東京)で開催しました。国際協力機構(JICA)の加藤正明理事と(一社)海外コンサルタンツ協会(ECFA)安全対策分科会の小林吉男副分科会長が講演を行い、 会場を埋め尽くした60名以上の参加者が熱心に耳を傾けました。
 
 加藤理事は、JICAが取っている国際協力事業関係者の安全を守る対策について説明。もはや安全は「タダ」ではなく、事業関係者やNGOが自助努力によって安全確保に努めなければならないこと、つまり「安全対策に対するマインドセット」が大切だと指摘しました。その上で、JICAの中でも事業関係者向けのテロ対策研修・訓練の実施、安全対策専任担当者の各国への配置、安全情報メールサービスへの登録支援など数々のプランが進行していると述べています。

 小林副分科会長は、ダッカのテロ事件をきっかけに安全対策分科会が設置された経緯と、そこで話し合われた内容を説明し、海外での安全対策についてECFAにどういった要望が上がっているか、ECFAとしてどう対応していくかを述べました。具体的に大手コンサルティング企業の取り組みをわかりやすい例として挙げつつ、ECFA分科会としても「安全対策マニュアルの作成」、「理事会での会社代表による安全管理意識の共有」「保険・緊急退避」など、全部で6つの課題を定めて安全対策に注力していくことなどを説明しました。