ミレニアム開発目標の報告書公表 [2007.10.16]

2015年の達成に向け課題も

国連は、7月にミレニアム開発目標(MDGs)の達成状況に関する報告書を公表した。MDGsは2000年に国連で決定され、貧困削減、教育、保健医療など8つの分野で2015年までに達成すべき目標が定められている(表参照)。今年07年は中間年にあたるが、これらの目標達成にはさらなる取り組みが必要という現実が報告書から明らかになった。
報告書によると、いくつかの分野で進展はみられるものの、サブサハラ・アフリカなどでは目標達成のためには状況が非常に厳しいと指摘している。アジアの一部の地域では大きな進展があるとしているが、それらの地域でも「保健医療」や「環境の持続可能性」の分野では課題を抱えているとしている。また、全般的には、若者の雇用機会の欠如や男女不平等、急激かつ無計画な都市化、森林減少、水資源の減少、およびHIVの流行が目標達成の障害となっている、と指摘している。
 目標達成のカギを握る地域となるサブサハラ・アフリカについては、国によっては農業生産、就学率、マラリア予防、保健医療サービスへのアクセスなどの点で改善がみられるとしている。また、現状ではこの地域のなかで41カ国がMDGsの目標にそった国家開発戦略を準備しているとし、アフリカ各国で目標達成に向けた取り組みが政府レベルでなされていることを評価している。
 また、国連の潘基文事務総長は、「われわれが行動すればMDGsは今からでも達成可能だ」としながらも、2004年以降、世界のODAが増加をみせていないことがMDGsの達成を難しくしていると指摘。とくに先進国が公約した援助増額の取り組みを着実に履行することが必要であると強調している。
(「国際開発ジャーナル」10月号P63 に詳細記事)