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【大学の国際化最前線】上智大学 総合グローバル学部

新学部を創設 地域研究と国際関係学を融合

jyouchi
(メジャーではゼミ形式の授業を実施する)

【8人の教員を新規採用】

 教育界でグローバル人材育成をめぐる動きが加速しているのを受け、上智大学は2014年4月に新学部「総合グローバル学部」を創設した。学部長に就任した寺田勇文教授は、学部新設の背景について「世界全体の動きと、地域に根差した個別の問題の両方を捉える視座を持った人材を育成するため」と語る。

 上智大学ではこれまで、外国語学部を中心に高い言語運用能力と専門の地域への深い知見を持つ人材を育てると共に、国際関係学やアジア研究などグローバルな視点に立って世界の情勢を分析できる人材の育成にも注力してきた。

 今回の新学部では、こうした取り組みを踏まえつつ、地域と国際の両方に軸足を置く人材の育成を目指す。その背景として、フィリピンの地域研究者でもある寺田教授は、「東日本大震災後に被災地を訪問した際、東北に住むフィリピン人の多さに驚いた」と振り返りながら、「移民や貿易など、人やモノのグローバルな動きがこれまで以上に活発になっている現代において、地域を理解する際も国際関係学の視点が欠かせなくなっている」と語る。

 この4月に188人の1年生を迎えスタートした総合グローバル学部では、「国際関係論系」と「地域研究系」という二つの分野を設け、さらに「国際関係論系」の下に「国際政治論」「市民社会・国際協力論」、「地域研究系」の下に「アジア研究」「中東・アフリカ研究」という4つの領域を設置。学生たちは4領域の中から一つを「メジャー」として選んだ上で、自身が所属していない分野から「サブメジャー」の領域を1つ選択する。学生は、メジャーとして選んだ領域に関する卒業論文の提出が課せられると共に、サブメジャーでも14単位を取得し、相応の知識を習得することが求められる。

 なお、総合グローバル学部の立ち上げに当たり、「教員は基本的に外国語学部から移籍しているが、26人のうち8人は新規採用」(寺田氏)と、外部の風も積極的に取り入れたという。

【学生の自主性伸ばす】

 さらに、新学部では2~4年次に「自主研究」を履修することが求められる。「自主研究」では、学生たちは自らの課題を設定し、フィールドワークを行った上で成果を発表する。「これからの時代は、学生の主体性がますます求められる。上智には以前からNGOなど課外活動に熱心な学生が多かったが、そうした傾向をさらに強化したい」と寺田教授は意気込む。
 同学部の第一期生が社会に羽ばたくのは2018年度以降となるが、各大学がグローバル人材育成にしのぎを削る中、今後も社会で活躍する人材を輩出し続けられるか。13年に創立100周年を迎えた同大学の底力が試される。

(出典:「国際開発ジャーナル」2014年5月号)

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