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【私のキャリアパス】キャリアビジョンは明確に 地道な積み重ねが重要

外務省 南部アジア部
南東アジア第二課 外務事務官
有馬 弥生 さん

【有馬さんのキャリアパス】
23歳 国内の大学を卒業後、
   米ニューヨークにある大学院に留学し、
   ジャーナリズム論を専攻
24歳 同修士課程の修了最終年に
   日本貿易振興機構(ジェトロ)
   ニューヨーク事務所に勤務
25歳 独立行政法人日本原子力研究開発機構
   東京事務所の国際部に勤務
26歳 青年海外協力隊
   村落開発員としてメキシコへ。
   2年の任期後、さらに3カ月間、
   短期ボランティアとして活動
29歳 国連平和大学
   「アジア・リーダーズ・プログラム(ALP)」に入学。
   特別修士課程で「国際法と人権」を専攻
31歳 国連麻薬犯罪事務所(UNOFC)
   プノンペンオフィスにインターン
32歳 外務省南部アジア部
   南東アジア第二課外務事務官に

【国連平和大を経て外務省へ】

 有馬さんは2012年2月から外務省任期付き職員として、主にインドネシアとフィリピンからの看護師及び介護福祉士候補者受け入れ業務を担当している。経済連携協定(EPA)に基づくもので、今年度は両国からそれぞれ約100人が5月に来日した。外務省は主にその日本語研修を所管しており、有馬さんは、多数の関係者がかかわる同制度の調整・取りまとめ役として、厚生労働省や経済産業省、在外大使館、インドネシア、フィリピン両政府、国内NGO、日本語教育機関など国内外関連機関・団体と受け入れに関する各種調整を行っている。有馬さんは「ここまで大きなプロジェクトの調整業務は初めてですので、とてもやりがいを感じています。また、調整業務のみならず、制度改善にかかわる政策にも積極的に携わらせてもらっていますので、日々勉強させてもらっています」と話す。

 有馬さんはこの業務に就くまで、日本財団が支援する国連平和大学「アジア・リーダーズ・プログラム(ALP)」第4期奨学生として2010年4月から2011年10月までの1年半、平和構築や国際貢献について学んだ。プログラムに応募したのは、「国際協力のキャリアを積む上で必要な修士号を取得できるのに加え、奨学金を頂きながらフィリピンやコスタリカで勉強できる環境が魅力」だったためだ。

 プログラムはコスタリカに拠点を置く国連平和大学とフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学が共同運営する平和構築人材育成のための特別修士課程で、講義や討論、フィールドワークなども交えて、より実践的な内容の授業を履修できる点が特徴だ。「英語力を改めてブラッシュアップできましたし、一緒に勉強したアジア人から刺激を受けました」と有馬さん。国際協力分野にマッチした修士号を取得できたのも収穫だった。在学中には国連薬物犯罪事務所(UNODC)のプノンペン事務所でインターンも経験した。

【イメージが固まり協力隊へ】

 そもそも、有馬さんが国際協力について関心を持ったのは、米国留学からの帰国後に働いた独立行政法人日本原子力研究開発機構東京事務所で海外経験豊富な上司と出会ったのがきっかけだ。職場には大使経験者やJICAプロジェクトの元担当者など多彩な経歴を持つ出向者が少なくなかった。これら上司から海外での業務経験を聞くうち、国際協力の仕事に対するイメージを持つことができるようになった。「それまでにも海外に行きたいという思いはありましたが、国際協力の仕事に就く考えはありませんでした」。

 国際協力への熱意が高まった有馬さんは、その後、具体的な行動に踏み出す。青年海外協力隊員として、メキシコ南部のチアパス州で村落開発の業務に携わることになったのだ。現地では比較的大きな裁量を与えられ、同地の主産品である大豆を使ったレシピの開発や改良かまどの普及など住民の生活改善に取り組み、自分の能力ややる気をフルに発揮できたという。ここでは当時流行した豚インフルエンザの予防のため、当初の任期2年を終えた後も、短期ボランティアとしてさらに3カ月間、その予防のための啓発
運動などに取り組んだ。

 有馬さんは今後も国際協力のキャリアを積んでいきたい考えだ。「この分野では自分のやりたい仕事にすぐに就くことができるとは限りません。まずは明確なロードマップを描き、そのうえで、ちょっとずつでも地道にステップアップしていくことが大切だと思います」。

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