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鳥取大学

農学部国際乾燥地科学コース(学部)
農学研究科 国際乾燥地科学専攻(修士課程)
連合農学研究科 国際乾燥地科学専攻(博士課程)
乾燥地研究センター

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乾燥地科学の専門家を育成

【学生の声】

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農学研究科国際乾燥地科学専攻(乾地土壌保全学分野)
岡崎 正泰さん

 高校生の時、メディアを通して世界の砂漠化や食糧問題を知り、強い関心を持ちました。鳥取大学は乾燥地農業に関する多様な分野の教授がおり、加えて実験設備が充実し、修士課程ではITPを活用し海外の現場で研究ができることもあり、入学を決意しました。 フィールドワークでは、チュニジアで灌がい計画作りのため栽培実験を行い、乾燥地問題の深刻さを実感するとともに、現地の人々と共に生活して異文化交流の面白さを知りました。それまで将来は国際協力の現場で働くか、教師になるか悩んでいましたが、こうした経験をもっと日本の子供たちにも伝えたいと思い、現在は教職を目指し研究に励んでいます。将来もっと多くの人が、乾燥地で働く意義と魅力を感じるようになってくれれば嬉しいです。

【教授の声】

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農学研究科(乾燥地研究センター)
辻本 壽教授

学部から若手研究者まで一貫教育

 世界の乾燥地帯には約20億人が暮らし、その多くが不安定な生活を強いられている。また、近年はオーストラリアをはじめ穀物生産国で干ばつが発生し、穀物価格の高騰も起きている。乾燥地の問題は日本とも深くかかわっているが、その多くは開発途上国にあるため、日本は高度な技術を生かした貢献が求められている。鳥取大学農学部は、前身の鳥取高等農学校の浜坂砂丘試験地の開設から90年間にわたり、砂丘地と乾燥地研究に取り組んできた。1990年には、乾燥地科学の日本唯一の全国共同利用施設として「乾燥地研究センター」が設置され、乾燥地について幅広く学べる体制となっている。
 「乾燥地に取り組むためには、乾燥地に関する『知力』、問題解決のための『実践力』、過酷な環境で行動できる『気力』と『体力』、そして現地の意見を集め発信できる『コミュニケーション力』が必要だ」と分子育種学などを教える辻本壽教授は語る。この5つの「人間力」を持つ人材育成のため、学部から修士・博士課程、さらに若手研究者までを対象に、一貫した専門家育成プログラムを用意している。 農学部では海外実習や語学の集中教育を通じて、国際人材を養成する。修士課程では「若手研究者インターナショナルトレーニングプログラム(ITP)」などで院生を外国の乾燥地に派遣し、コースワークと修論研究を現地で行っている。博士課程では島根大、山口大と「連合農学研究科」を組んでおり、日本人学生のほか、海外の乾燥地からの留学生を多く受け入れている。さらに「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」を通して、大学の若手教員や研究員の育成にも注力している。
 フィールドワークで行く地域は、チュニジア、エジプト、中国、モンゴル、メキシコ、タイ、イタリア、アメリカなど世界各地に広がっている。 留学生も多く、日常的に英語を使う機会があるのも魅力の一つだ。辻本教授の研究室では、助教がスーダン人のため、学部生も日常的に英語を話す雰囲気になっているという。 また鳥取という立地も、乾燥地研究をする人材育成に役立っている。「専門を深めるにつれて、内向きで近視眼的な考え方をするようになりやすい。自分の研究を冷静に把握しつつ、自由でダイナミックな発想をするうえで、山も海も湖も砂丘もあり、自然のテーマパークのような鳥取大学は理想的な場だ。また、科学の進歩のためには学生には教員を追い抜く気概を持ってほしいが、学生が主体的に活動できる場をここでつくろうと努めている」。
 学部生の多くは大学院に進学し、修士の修了生は農林漁業や製造業のほか、国際開発関係にも就職している。博士の修了生は、乾燥地研究の第一線で活躍しており、世界の乾燥地科学において鳥取大学の知名度はきわめて高い。
「私自身はかつて農学部の植物育種学研究室に勤め、食糧問題や乾燥地問題などを講義していた。しかし現場で真に役立つ技術開発に自分の力を使いたいと思い、品種開発に取り組み始めた。学生も現地の人と向き合い、人々の幸せのため働く人になってほしい」と辻本教授は現場への思いを語る。

【Point】

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世界の乾燥地研究機関と連携 現場経験の機会を提供

 同学ではITPなどを通し、世界の研究機関と連携している。日本では高度な科学力を使った開発、海外の現場ではその評価、という形で互いに補完関係にある。国連の国際乾燥地農業研究センター(シリア)※では主に分子育種や水・土壌保全、環境修復などを中心に、寒区旱区環境工学研究所(中国)では砂漠化した土地の修復を中心に、砂漠研究所(アメリカ)および気象水文研究所(モンゴル)では風送ダスト(黄砂)の研究を中心に取り組んでいる。学生は、さまざまな研究者と触れることで刺激を受け、帰国後、見違えるような人材になっているという。 ※シリアでは内戦のため、現在は交流を中止している

【スキルを身に付ける】

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現場での 問題解決能力を養成

 先に挙げた5つの「人間力」を身に付けるためのカリキュラムの中心になるのは、やはり海外で行われるフィールドワークである。学部では1カ月間の「国際乾燥地農学実習」を設け、メキシコまたはタイでフィールドワークを行う。これは選択科目だが、コース学生の約8割が、この実習に参加するという。より多くの学生が参加できるよう、外部の資金による費用面の支援も行われる。大学院生向けには、若手研究者インターナショナルトレーニングプログラム「乾燥地における統合的資源管理のための人材育成」、グローバルCOEプログラム「乾燥地科学拠点の世界展開」などを通して、海外の研究機関と連携を図り、フィールドワークに参加できるようにしている。前者は今年度で終了し、後者は昨年度終了したが、現在これらに続くプログラムを検討中だ。 フィールドワークでは、現地を含めさまざまな国籍の人と関わる機会があるが、「5つの『人間力』に加え、そこでは問題解決能力、自主性、協調性、国際性が養われる」と辻本教授は語る。
 また、国内でも現場に近い環境で研究ができるよう、設備が整っている。乾燥地研究センターには、砂漠の気候を再現する「デザートシミュレーター」や遺伝子組換え植物を栽培できる隔離温室などの施設のほか、塩類動態システムや人工降雨システムなど、ユニークな設備が揃う。加えて、広大な実験圃場や林もあり、こうした施設を利用し、学生の教育が行われている。また乾燥地研究センターには、共同研究拠点であるため国内外から研究者が集まる。こうした環境のなかで、学生は大いに刺激を受け、モチベーションを高めることができる。

数多くのフィールドワーク
世界のさまざまな研究機関と連携しており、学部から修士・博士、また若手教員向けまで、さまざまなフィールドワークの機会が用意されている。

乾燥地研究センター
国内においても、乾燥地の高度な研究ができるよう、さまざまな設備があり、学部生から利用可能。

【School Data】
取得可能な学位:修士(農学)、博士(農学)
定員:修士課程(国際乾燥地科学専攻)15人 博士課程(連合農学研究科国際乾燥地科学専攻)3人
主な進路:開発コンサルティング企業、食品会社、化学/薬品会社、種苗会社、公務員など

【Access】
〒680-8550 鳥取市湖山町南4丁目101
TEL 0857-31-5343 FAX 0857-31-5347
E-mail ag-syomu@adm.tottori-u.ac.jp
URL http://rendai.muses.tottori-u.ac.jp/
交通 JR鳥取大学前駅から徒歩3分、JR鳥取駅からタクシーで約15分

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