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東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境学研究系 国際協力学専攻

【学生の声】

suzuki
新領域創成科学研究科 環境学研究系 国際協力学専攻 鈴木 遼平さん

国際河川めぐる紛争解決策 法的アプローチから探る

 大学3年生の時、ベトナム国内のメコン河流域で暮らす人々をボートに乗って観察したことがあります。その頃、上流では中国がダムを建設しており、私は彼らの生活が不安定な基盤の上に成り立っている現状を目の当たりにしました。世界にはメコン河のように複数の国をまたいで流れる国際河川が数多く存在します。欧州などでは上流・下流国の間にけた国際河川委員会が水資源管理を行いますが、開発途上国の地域ではそうした委員会が十分に機能しているとは言えません。私は大学で国際法を専攻し、紛争解決に法律がどのような機能を果たせるかを研究していました。そこで、自分の専門性を生かして、国際河川を巡る紛争の解決に取り組みたいと思い、日本で数少ない国際河川の研究者である中山幹康教授がおられるこの研究科に進みました。  
 大学院では、机に向かって論文を読んでいただけの学部時代とは違い、現場での研究が重視されます。昨年の夏にメコン河を管理する国際河川委員会を訪れ、現地の実態を調査したほか、今年は米国とカナダの間にある河川委員会を訪問する予定です。こうした研究活動に加えて、東大本郷キャンパスで法律関連の授業を受講したことも、自分の専門性を深めるのに役立ちました。  
 修了後は外資系経営コンサルタント会社に就職する予定です。資源分野の企業がクライアントになることもあり、水資源を中心とした知見と経験が生かせるのではないかと思っています。

【教授の声】

honda
新領域創成科学研究科 本田 利器 教授

 私自身の専門は防災分野ですが、本専攻では既存の専門分野にとらわれず、幅広い観点から様々な教育・研究活動を行っています。文理の枠を超えた学融合の考え方で、世界の国々が抱える問題の本質を見極め、それらを解決できる人材を輩出することを目指しています。そうした力を養うには、現実の問題にしっかりと取り組むことが不可欠です。例えば、フィールド調査は、単なる現場報告にならないよう、問題意識を持ち、方法論を学んでから臨むように指導しています。  
 当専攻では、勉学、研究、将来のキャリアに様々な可能性を提供します。国際協力を学んできた方にとっては、その専門性を深めるとともに、新たな視点を学び、視野を広げる機会になると思います。一方で、工学や理学、経済や経営などの専門性があり、それを国際協力の現場で生かしたいと考える人にとっても、多様性と専門性の両立する当専攻で学ぶ意義は大きいでしょう。  

【Point】 最先端の知見を持って課題解決策を提案

 東京大学大学院・新領域創成科学研究科は、基礎科学、生命科学、環境科学の3つの研究系で構成される修士・博士課程のみの大学院。未開拓の領域を研究・教育の対象とし、人類が抱える課題の解決に取り組んでいる。国際協力学専攻は、その中の環境学研究系に属しており、研究・教育は「開発協力」「環境・資源」「制度設計」の3分野を柱としている。国際協力機構(JICA)の調査事業や海外の大学との共同研究など、フィールドワークの機会が豊富で、学生の海外調査に対する助成制度もある。カリキュラムには文理両方の科目が用意され、多彩な学問に触れながら、自らの専門性を深めることができる。そのため、学生の研究成果が工学や社会科学、経済学など、様々な分野の学会で報告されることも珍しくない。終了後の就職先国際協力の分野に限らず、専門分野に関連する民間企業や機関も多い。  
 本田利器教授は「世界のトップレベルを目指しますが、それは研究業績の量を増やすという意味ではありません。現場で起きている問題に、最先端の知見に基づいた学術的にも実践的にも質の高い解決策を提案していくということです。学生には、その自覚を持って学んでほしいです」と語る。

【School Data】
取得可能な学位 修士(国際協力学)/博士(国際協力学)
定員 20人
学費 26万7,900円(前期、入学金28万2,000円除く)
奨学金 あり

【Access】
〒277-8563 千葉県柏市柏の葉5-1-5
TEL 04-7136-4841
E-mail info@inter.k.u-tokyo.ac.jp
URL http://inter.k.u-tokyo.ac.jp/

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