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【大学の国際化最前線】武蔵大学 経済学部

日本でロンドン大の学位を取得
工系の国際人材育成をブランドに


(LSEの教員が来日して特別授業も実施している)

【世界レベルの教育を日本で】
 日本を代表する実業家、故・根津嘉一郎(初代)が創立した旧制武蔵高等学校がルーツの私立・武蔵大学。1949年の開設以来、少人数制のゼミナール中心の教育を打ち出し、「ゼミの武蔵」と呼ばれてきた。近年は、この伝統を受け継ぎながら、グローバル人材の育成にも注力している。

 そんな武蔵大学が2015年に開始したのが、「ロンドン大学と武蔵大学とのパラレル・ディグリー・プログラム」(通称・PDP)だ。武蔵大学の履修科目に加えて、ロンドン大学の教育プログラムを履修することで双方の学位を取得することができる。

 近年、日本の大学では、海外の大学と協定を結んで両大学の学位を取得できる「ダブル・ディグリー制度」を導入する動きが進んでいるが、ほとんどの場合は協定大学に一定期間留学することが必須であり、多額の費用がかかる。その
点、PDPは、ロンドンに行かなくともロンドン大学が提供する「インターナショナル・プログラム」を日本で履修できるのが最大の特徴だ。

 武蔵大学は、ロンドン大学が180カ国の教育機関で展開するこのプログラムを日本で初めて採用。武蔵大学の教員が英語で授業を行い、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)がテキストの執筆、テストの作成・採点にあたる。

 対象は経済学部生で、一定の基準を満たした学生が入学直後に選抜される。PDP導入の発起人である同学部の東郷賢教授は、「PDPを履修するために武蔵大に入学してくる学生も増え始めている」との手応えを感じている。

【履修生へのフォローも充実】
 とはいえ、武蔵大学に入学する学生の多くは、留学経験もなく、典型的な日本の高校を卒業したばかりのため、いきなりロンドン大学の授業についていくことは難しい。そこで、PDPでは、学生たちがプログラムについてこれるよう工夫を凝らしている。

 例えば、入学直後からロンドン大学のプログラムが始まる9月までの間、経済学、数学などの入門授業を日本語で行うほか、6~7月には海外英語研修も実施して、基礎体力を養う。さらに、プログラム開始後も、テスト前の対策など、さまざまな形で履修生をサポートしている。
 東郷教授は、「日本では、経済学の知識を全く身に付けずに経済学部を卒業する学生も少なくないが、PDPでは経済学をしっかりと学び、世界に通用する基礎力を身に付けてもらう」と話す。無事にロンドン大学の学位を取得した暁には、海外の大学院への留学も期待できるという。

 武蔵大学では、人文学部と社会学部でもグローバル人材を育成する新たなコースが2017年4月よりスタートした。海外で働く人材だけでなく、日本国内で国際化が進む職種に就職を目指す学生にも最適な特訓コースを提供している。

(出典:『国際開発ジャーナル』2017年7月号) 【Access】 〒176-8534 東京都練馬区豊玉上1-26-1 URL http://www.musashi.ac.jp/