国際開発ジャーナル


2020.03.01

PROJECT FOCUS パプアニューギニア

<無償資金協力>

島民の生計を支える市場の施設拡張と衛生向上を実現


 

パプアニューギニア
アロタウ市場及び水産設備改修計画

 

コンサルティング:OAFIC(株)
施設建設:大日本土木(株)

 

 パプアニューギニアでは農業と水産業が国内総生産(GDP)の約3割を占める。地方住民は輸出向けと自家消費以外の農水産物を市場で売ることにより、現金収入を得ている。同国のミルンベイ州でも就業人口の8割以上が自給的農業・水産業に従事しており、州都アロタウの公設市場が住民の余剰収穫物の重要な売買の場となっている。アロタウ公設市場は1969年に開場した。屋根付き販売テーブルが316人分しかないが、1日500人を超える小売人が集まる日も多く、市場は極めて手狭だった。そのため、地面に直接農水産物を置いたり、鮮魚と青果物を隣接して売買するなど、衛生面で大きな問題を抱えていた。配水管や浄化槽が機能せずトイレが使えないなど、施設の老朽化も深刻だった。
 一方、同国の国家水産公社は、ミルンベイ州の水産振興を重点政策と位置づけ、その一環としてアロタウ市場と関連施設の改修・整備を重視。わが国に無償資金協力を要請して本案件に結実した。改修後の市場には6つの小売場ができ、740人近くの小売人を受け入れられるだけでなく、青果物、鮮魚、根菜類、加工食品などを別々の棟で扱えるようになった。鮮度保持用の氷を製造・販売する水産センターや男女別のトイレ、浄化槽も整備されたため衛生面の問題が解決され、小売人にも購買者にも安全な施設となっている。さらに、アロタウ市場の前浜には周辺の島から訪れる住民のため、木造の仮設桟橋があったが、これもコンクリート製の岸壁につくり変え、係留できる船の数を増やして利便性を高めた。本計画の実施は、同州における農水産物の流通の改善・活性化を促し、同州の経済の持続的発展に寄与するものと期待される。

 
『国際開発ジャーナル』2020年3月号掲載