国際開発ジャーナル


2020.03.01

PROJECT FOCUS コンゴ

<無償資金協力>

安全に研究できる最新設備を整え感染症から人々を守る


 

コンゴ民主共和国
国立生物医学研究所拡充計画

 

コンサルティング:(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル、(株)フジタプランニング
施設建設:大日本土木(株)

 

 1984年に設立されたコンゴ民主共和国の国立生物医学研究所(INRB)は、多剤耐性結核やウイルス性出血熱といった感染症の検査・診断・研究を行う機関で、エボラ出血熱などの流行を経験した同国において、ますます重要な役割が期待されている。このほかにも、INRBは同国内の疾病検査機関の統括、研究者・技術者に対する研修、医学系大学院生の支援といった多様な使命を担い、長崎大学熱帯医学研究所や野口記念医学研究所(ガーナ)と共同研究を行った実績もある。しかし、INRBでは診断・研究に必要な機材、実験動物や病原体を密閉状態で安全に扱うための施設、研修のための講義室などが不足していた。一方、同国の「国家保健開発計画」では、感染症のサーベイランス能力や緊急対応能力の向上に加えて、INRBの強化が優先課題とされていた。本計画では、INRBに新たに「検査・研究センター」、「臨床治験センター」および、「研修センター」を増設した。「検査・研究センター」にはバイオセーフティレベル3に対応する検査室を整備し、研究者の感染を防げる検査機材、病原体を外部に流出させないための空調換気装置、滅菌器、感染性廃水廃棄物処理装置など、必要な設備を揃えた。また、「研修センター」には研修効果の向上を図るため、モニターで研修生に画像を見せられる顕微鏡や、遠隔地とコミュニケーションが取れるテレビ会議システムも導入している。INRBでは、今後、周辺諸国からも研究者を受け入れる予定だ。本計画による最新の施設と機材によって検査・研究のレベルが上がり、人的交流も進めば同国の感染症対策が進むとともに、国際的にもINRBの研究機関としての評価が高まるものと期待される。

 
『国際開発ジャーナル』2020年3月号掲載