国際開発ジャーナル


2020.02.01

PROJECT FOCUS ベトナム

<有償資金協力(本邦技術活用条件)>

経済発展に伴う旅客増大に対応するためにターミナルビルを新築し、最新機器を整備する


 

ベトナム
ノイバイ国際空港第2旅客ターミナル建設事業

 

コンサルティング:(株)日本空港コンサルタンツ
施設建設:大成建設(株)・ビナコネックスJV

 
航空旅客需要の急拡大

 経済発展著しいベトナムでは、近年旅客需要が急速に拡大しているが、南北に長い国土であるが故に都市間移動における航空交通の役割が非常に大きく、空港整備が喫緊の課題となっている。北部の中心都市である首都ハノイと、国内最大都市である南部のホーチミンシティの間は同国内の航空路線としては最大の需要区間であり、2018年の実績では年間旅客数約690万人(世界第6位)、運航便数約4万回(日平均107便)に達している。ハノイ・ノイバイ国際空港ではこれまで1つのターミナル(現・第1ターミナル)で国内・国際両方の旅客を取り扱っていたが、首都の玄関口でありながら館内は手狭で、物販・飲食施設も少なく、航空機に直接接続する搭乗橋の数も限られるなど、快適性・利便性の確保が課題となっていた。

STEP事業として旅客ビルを整備

 増大する需要への対応のため国内・国際線の取り扱いを分離するべく、2008年より当時の北部空港会社(NAC)の発注により国際線旅客ビルの設計に着手。その後、本事業は円借款により建設が行われることとなり2012年に着工した。円借款事業には、旅客ターミナル・特殊設備機器・駐車場・接続高架道路・汚水処理施設・航空機燃料供給施設などが含まれ、施工は大成建設・ビナコネックスJVが担当。STEP適用案件であり、各所に先進技術が導入された。34か月の工期を経て第2ターミナルは2014年12月に完成・供用開始を迎え、翌2015年1月に開業式典が挙行された。完成した第2ターミナルは、地上4 階・地下1 階建、延床面積139,387㎡で、チェックインカウンター96 台、セキュリティ・チェック8か所、出入国審査ブース各44台、搭乗口14か所、搭乗橋28機、バスゲート3か所などを備え、すべての預入手荷物を検査するX線検査装置や自動搬送・振り分けを行うバゲージ・ハンドリング・システム(BHS)、地下配管を経由した燃料ハイドラント設備(FHS)なども同時に整備された。

航空需要の伸長はさらに続く

 第2ターミナルの完成後、国際線全便が第1ターミナルから移管され、現在まで大きな運用上のトラブルなく多くの旅客に利用されている。2012年に483万人だった国際線の旅客数は2018年には1,008万人を記録し、年平均の増加率は18%に達している。昨今のLCC(格安航空会社)の爆発的な発展やベトナム国内の経済発展も影響し、航空需要の伸長はこれからも継続するとみられている。第2ターミナルは、開業5年後(2020年)に年間旅客が1,000万人に達するという需要予測の基で施設設計を行い、将来的に年間1,500万人まで対応可能な拡張計画をあらかじめ策定し、短期間で施設の拡張ができるよう配慮されている。しかし2018年には予測よりも2年前倒して年間1,000万人を突破したため、ベトナム空港会社(ACV)では予備計画に従い施設拡張のための準備を進めている。本事業は、首都ハノイの空港施設の近代化と旅客サービスの改善を果たしたという点においてベトナム国内でも高く評価されており、また、同時開業したニャッタン橋(日越友好橋)建設事業、ノイバイ国際空港-ニャッタン橋間連絡道路建設事業と合わせて「ハノイ市国際ゲートウェイ整備3事業」として、2015年に第11回JICA理事長表彰が授与された。

 
寄稿:(株)日本空港コンサルタンツ国際業務本部 プロジェクト・アドミニストレータ 木戸秋 剛
『国際開発ジャーナル』2020年2月号掲載