国際開発ジャーナル


2019.12.01

PROJECT FOCUS
ウガンダ

<有償資金協力(本邦技術活用条件)>

アフリカ「北部回廊」のボトルネックを解消し
地域経済を活性化する斜張橋を建設


 

ウガンダ
ナイル架橋建設事業

 

コンサルティング:㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル
         ㈱エイト日本技術開発
施設建設:㈱錢高組

 
物流の要となる橋梁の老朽化

 ケニアのモンバサ港からウガンダ南部を横断し、ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国まで通じる「北部回廊」は、東アフリカと中央アフリカをつなぐ最重要の物流ルートだ。モンバサ港で積み替えられるケニア国外へのトランジット貨物の8割弱はウガンダ向けであり、その中にはウガンダを通過して周辺国へ輸送される貨物も多い。このため北部回廊は陸上物流の要となっている。しかし、この幹線道路では、ナイル川を横断するウガンダ・ジンジャ県のナルバレ橋が老朽化し、交通のボトルネックとなっていた。もともと水力発電用のダムに併設される形で1954年に建設されたナルバレ橋は、幅が7mと狭く、交通量の増加に対応できなくなっていた。この状況に鑑み、ウガンダ政府は2008年に策定した運輸交通マスタープランで、2023年までに北部回廊の道路を優先的に改善すると謳っていた。一方、日本政府も、インフラ整備を通した「経済成長の実現」を同国に対する開発協力の方針としていたため、同国政府の要請とその後の調査を経て、本事業に対する有償資金協力のL/Aが10年及び18年に調印された。

地域最大級で120年耐用の斜張橋

 本事業で建設された「ナイル川源流橋」は、ナイル川の源流であるビクトリア湖から2.5km下流(ナルバレ橋の750m上流)に位置する。施工に当たったのは、錢高組を中心とした国際共同企業体だ。設計・施工監理はオリエンタルコンサルタンツグローバルを主とした日本のコンサルティング企業が当たった。新橋は橋長約525mの3径間連続斜張橋。鉄筋コンクリート製の2本の主塔から左右に18本ずつ太いケーブルを伸ばし、同じく鉄筋コンクリート製の橋桁を支えている。主塔は水面からの高さ約80m、逆Y字形が美しい景観をなす。橋長は東アフリカ地域最大であり、日本企業が施工した世界の斜張橋と比べても、バイチャイ橋(ベトナム)、ネアックルン橋(=つばさ橋、カンボジア)に次いで3番目に長い。幅員は23 ~ 25mで左右4車線が確保され、両側には幅2mの歩道も付いている。橋の目標耐用年数は長期の120年と設定され、そのための種々の工夫も凝らされている。

 
アフリカの更なるインフラ整備に向けて

 建設事業は14年4月から始まり、両岸から建設が進められた。従業員の約9割は現地で採用され、地元の雇用に貢献するとともに、ウガンダの建築・土木関係者への技術移転も重視された。4年後の18年4月、中央で橋桁が閉合。その後、ケーブルの張力調整や道路舗装を経て、同年10月、ナイル川源流橋は開通を迎えた。開通式には、ウガンダのムセベニ大統領、亀田和明駐ウガンダ大使、佐藤正久外務副大臣(当時)、深瀬・JICAウガンダ事務所長などの要人をはじめ、約3,000人が参列し、夜には橋のイルミネーションが点灯された。ムセベニ大統領が日本政府をはじめとする関係者に感謝の意を表明したのに対し、佐藤副大臣は同橋の完成によってウガンダだけでなく近隣諸国の経済発展へも寄与できる旨の祝意を述べた。本事業が有償資金協力による東アフリカのインフラ整備の嚆矢となることを期待したい。

 
『国際開発ジャーナル』2019年12月号掲載