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2020.01.01

日本で唯一 中堅・中小企業の経営人材を育成
<日本工業大学大学院>

写真:特定課題研究のゼミで熱弁をふるう中村教授


日本工業大学 専門職大学院(MOT)

グローバル化や技術革新の問題を解決

 1907年開校の東京工科学校を前身とする日本工業大学は、2005年、専門職大学院として技術経営研究科(Management Of Technology; MOT)を東京・神保町に開設した。MOTを持つ国内大学は10校程度あるが、中堅・中小企業に焦点を当てた技術経営人材の育成を図っているのは、同大学のMOTだけだ。中村明教授(学術博士)は、「グローバル化や技術革新によって日本企業の約99%を占める中堅・中小企業にも、海外展開を含む多くのビジネスチャンスが生まれています。そうした中で、実務や経営をどのように行うかという課題に対処できる人材を育成するのが本学MOTの役割です」と語る。入学資格には原則、大学卒業後に5年以上の実務経験(短大・高専卒は7年以上、高卒は9年以上)が求められる。授業は平日夜と土曜日に行われ、1年間で技術経営の修士号を取得できる。毎年、技術系中堅・中小企業の経営者や後継者、幹部のほか、大企業や独立行政法人などの在職者が30人前後入学している。年齢層は20代から60代までと幅広く、中国やタイからの留学生も在籍し多様性に富む。

異業種同士で将来を議論

 同大学のMOTには、経営者・経営幹部向け、プロジェクトリーダー・プログラムリーダー向け、起業家・イノベーター向け、そして経営コンサルタント向けの4コースがある。どのコースにも修士論文にあたる「特定課題研究」があり、院生たちは自ら課題を決め、教員の指導を受けながら実務に根ざした設定課題の解決策を約半年でまとめる。また、基礎科目と所属しているコース系科目の必須単位を取得していれば、その他の多くの授業を自由に受けられる。最近はグローバル化の高まりを受けて企業の海外展開に関連した授業が増えている。持続可能な開発目標(SDGs)やESG投資(環境・社会・ガバナンスへの貢献を重視する投資)に関わるテーマも含めた学びの中で、技術革新が著しい製造業、IT・サービス業といった多様な業界から集まってきた院生が互いの実務経験や海外展開などの将来の展望について議論し合い、各々のアイデアを磨いている。 グローバル展開の可能性を秘めた日本の多くの中堅・中小企業に、中村教授は大きな期待を寄せる。「日本企業が持つ技術を生かせば、SDGsの達成や途上国の社会課題の解決に大いに貢献できるはずです。例えば、日本の金型技術などの基盤技術は途上国から注目されています。本学MOTでは、自らが主役となって社会の変化や課題を的確に見抜き、それを踏まえた企業戦略・マネジメントが策定できる技術経営人材の育成を目指しています」。

『国際開発ジャーナル』2020年1月号掲載
#大学の国際化最前線 #日本工業大学専門職大学院