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2019.05.01

英語力を磨きながらディベート力も高める
<東京農工大学>

写真:NASAを訪問したGPP参加者たち


東京農工大学 グローバル・プロフェッショナル・プログラム(GPP)

工学と農学の貴重な出会いの場

 東京農工大学は、日本の大学で唯一、工学部(工学府)と農学部(農学府)に特化している。持続可能な社会づくりに貢献できる専門家やリーダーの育成に取り組んでおり、近年は多様な文化や価値観を持つ人とも連携できるコミュニケーション能力を伸ばすプログラムを整備している。

 その一つとして2016年に始まったのが、「グローバル・プロフェッショナル・プログラム」(GPP)だ。参加者は4つのカリキュラムによって、農学・工学の研究に必要な知識や論理的・俯瞰的な思考能力、国際学会で通用するレベルの英語などを習得し、単位を獲得して「プライマリー」から「ミドル」「トップ」のレベルへと昇級していく。昇級の際は英語能力(TOEIC、TOEFL(iBT)などのスコア)や論理的な思考構築能力を審査するほか、英語能力や類似の課外活動の経験によっては、ミドルやトップのレベルからGPPを始めることも可能だ。

 「学部生も大学院生も学年・学科を問わず参加できるため、GPPは工学と農学の学生が出会える貴重な場となっています。学部生が全体の8割を占めており、海外の大学院を目指している人、グローバルに活躍するため英語能力を高めようとしている人もいます。こうした学部生が、大学院生と議論を交わす光景は日常茶飯事です」と、GPPを主宰する岩田陽子准教授は語る。GPPは原則として卒業(修了)まで続けることができ、参加者のために年2回のキャリアカウンセリングも完備している。

NASAの専門家と意見交換

 GPPの主目的は、英語力を高めながら互いに納得できる「OK-OK」の議論を行うことだ。意見の圧殺や、単なる合体に留まることなく、議論によって相手の意見を適度に取り入れ、より実効性に優れた案を練り上げることが求められる。

 そうした能力を披露する機会として人気なのが「海外派遣プログラム」だ。毎年4~5月にテーマが決まり、2017~18年度は宇宙だった。プレゼンテーションによる審査を経て選抜された3チーム18人が渡米し、米国航空宇宙局(NASA)の専門家と意見交換した。

 岩田准教授は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で初代人文・社会科学コーディネーターを務めており、その時の人脈を活用してNASAとの交流が実現した。「宇宙と農業は一見、無関係に見えるが、衛星画像などを用いた気象や位置情報を農業の改良に生かすなど、両者をつなげる考え方はいろいろあります。宇宙は未知の分野が多く、議論の種を探しやすいため、非常に魅力あるテーマと考えています」と述べている。

『国際開発ジャーナル』2019年5月号掲載
#大学の国際化最前線 #東京農工大学 #グローバル・プロフェッショナル・プログラム