国際開発ジャーナル


2020.06.01

PROJECT FOCUS ハイチ

<無償資金協力>

老朽化した水路を整備し農業生産高と農家収入の増大を図る


 

ハイチ
中央県及びアルティボニット県小中学校建設計画

 

コンサルティング:八千代エンジニヤリング(株)
施設建設:徳倉建設(株)

 

 ハイチの基礎教育課程は、初等教育にあたる第1~第2サイクル(6年間)と、前期中等教育にあたる第3サイクル(3年間)で構成されている。同国政府の近年の基礎教育の改革によって、第1~第2サイクルの就学率は77%にまで伸びてきており、中南米諸国全体の就学率平均95%に近づいてきた。しかし、第3サイクルにおける就学率は25%であり、これは中南米諸国の平均73%と比べても極めて低い(2012年調査)。

 特に、本計画の対象となっている2県の第3サイクルの就学率は、中央県が16%、アルティボニット県が19%と同国平均をも下回っている。その最大の原因は教室が足りずに就学を諦める子どもが多いことである。この2県では、どのサイクルでも100人を超える過密状態で授業を行っていた。

 本計画では、両県にある第1~第3サイクルの学校のうち12の学校を対象として90教室を増設した。併せて、男女別トイレや車イスでも利用できるトイレおよびスロープを設置し、女子生徒や障碍のある生徒の教育環境の改善にも配慮した。本計画の完了により、1教室あたりの生徒数は50人前後に抑えられる見込みで、1万人近い生徒たちと300人強の教職員の学習・教育環境が大きく改善される。

 一方、同国では毎年のようにハリケーンが襲来し、地震も多発している。2010年のハイチ大地震では約31万人もの死者を出したが、学校はこうした緊急時に、地域住民の避難所となる。本計画において増設された教室は、日本の 知見を生かした耐震・耐風設計が採用され、自然災害に負けない国づくりにも貢献している。本計画のソフトコンポーネントでは学校での防災や保健・衛生に関する教育への支援も行われる予定だ。

 
『国際開発ジャーナル』2020年6月号掲載