国際開発ジャーナル


2020.06.01

PROJECT FOCUS ベナン

<無償資金協力>

給水率2割未満の都市に安全な水を供給


 

ベナン
グラズエ市及びダッサズメ市における地下水を活用した飲料水供給計画

 

コンサルティング:(株)建設技研インターナショナル、(株)エイト日本技術開発、日本テクノ(株)
施設建設:(株)日さく、鉱研工業(株)

 

 ベナンでは近年、政府の施策によって給水率は着実に上昇している。しかしながら、依然として安全な飲料水にアクセスできない地域も多い。本案件の対象地であるグラズエ市とダッサズメ市は、交通の要衝であるにもかかわらず給水量はまったく不十分であった。14年時点での給水率はグラズエ市で14%、ダッサズメ市で19%にすぎない(同国全体の平均は08年で66.3%)。両市の住民は民間業者から購入した水や、不衛生な浅井戸あるいは天水溜めの水で不足分を補っていた。

 本計画では、両市でそれぞれ2本の取水井戸を新たに掘削し、それに対応した原水施設、消毒施設、送水施設、配水施設、管理事務所などを建設した。これによって、グラズエ市では656㎥/日、ダッサズメ市では1,352㎥/日の取水および給水が可能となり(いずれも既存施設分を含む)、給水率はそれぞれ33%、67%にまで改善された。また、新設した施設は原水貯水槽や高架水槽などが含まれており、地域住民に安全な飲料水を24時間供給できる体制になっている。

 新施設は、18年7月に両市に引き渡され、ダッサズメ市では18年10月に、グラズエ市では19年1月に引き渡し式典が行われた。本計画の完了によって、飲料水の供給量が増大するだけでなく、水に起因する疾病の減少や水汲み労働の軽減といった効果も期待されている。

 一方、ベナン水道公社(SONEB)は以前より各家庭での水道メーターの普及を推進していたが、給水率の低さから導入する家庭は少なかった。そこで、本計画で給水施設を新設することで、SONEBは住民の水道利用を促すとともに、住民の衛生意識の向上を目指した啓発活動も実施していく。日本もこれらの活動に協力する予定だ。

 
『国際開発ジャーナル』2020年6月号掲載