国際開発ジャーナル進学ナビ


2020.05.01

他学部との交流で複合的な視点養う
海外調査も自ら計画・実践
<中央大学>

マニラのスラム街、トンド地区を訪問。かつてのごみ山に草が繁茂する


中央大学 ファカルティリンケージ・プログラム(FLP) 国際協力プログラム

JICA職員やコンサルら実務者が講義を実施

 中央大学は2003年、学部の垣根を超えた教育システム「ファカルティリンケージ・プログラム(FLP)」を開始した。FLPには「環境・社会・ガバナンス」「ジャーナリズム」「国際協力」「スポーツ・健康科学」「地域・公共マネジメント」の5プログラムがあり、希望者は一つのプログラムを選んで試験を受け、合格すれば2年次から3年間、演習と全8学部の関連する講義科目を履修する。学部横断的な課題やテーマを現場重視の姿勢で研究し、学びを深めるのが狙いだ。このうち「国際協力プログラム」では、国際協力機構(JICA)の協力を得て、JICA職員・元職員を特任・客員教員として招き、演習を担当してもらっている。また、国際機関、コンサルティング企業、NGOなどの実務者による特別授業や講演会も行われている。同プログラムを担当する経済学部の林光洋教授は、「FLPは異なる学部の人と語り合えるのが大きな利点です。私のFLPゼミでも、理工学部の学生が環境問題を、商学部の学生がBOPビジネスの課題を経済学部や文学部、その他の学部の学生と議論しています。現代の国際協力は複合的な視点が必要なので、FLPを通じて異なる学部の視点を知ることは大いに役立つはずです」と語る。

高校などへの訪問授業で調査結果を発表

 林教授のゼミでは3年次に1年間かけて、現地調査を含む研究プロジェクトを実施する。対象国・テーマ決めから、アポ取り、ロジスティクスの手配、現地調査実施、英語論文執筆までほぼすべてを学生が行う。2019年はフィリピンを対象に「インクルーシブな人間開発」をテーマに掲げて、コミュニティ防災、保健センター、ストリートユース分野の人的資源開発(HRD)を研究した。 調査結果は毎年、12月に開かれるFLPの期末成果報告会で発表される。このほか、中学校や高校で学生たちが自ら教壇に立って授業を行う「訪問授業」という取り組みでも、現地の調査の様子や成果を発表している。林教授は訪問授業について、「子どもたちが興味を持って聞いてくれるので、プレゼンテーションの訓練としてやりがいがあると学生たちも楽しんでいます」と語る。林教授のゼミでは、こうした実践的な学びに意欲的に取り組む学生が集まり、学科や専攻の枠を超えた「最適な国際協力の形」を模索している。そうした中、JICAや外務省に勤務する者、青年海外協力隊の隊員、農村向けの太陽光発電を行うインド企業へ乗り込む商社マン、アフリカの公衆衛生改善に貢献する女性の開発コンサルタントなどを輩出しており、後に続く卒業生への期待も高い

『国際開発ジャーナル』2020年5月号掲載
#大学の国際化最前線 #中央大学