経済・経営」カテゴリーアーカイブ

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【大学の国際化最前線】専修大学 アジア産業研究センター

日本とASEANつなぐ中小企業研究のハブに

【メコンの地域経済を調査】

 優れた技術を誇る中小企業の一大集積地である神奈川県川崎市。ここにキャンパスを置く専修大学では、以前から商学部や経済学部などが中小企業に関連した研究に注力してきた。また、川崎商工会議所との間では、会員である中小企業の経営者を招いてシンポジウムを開催するといった形で情報交換を進めてきた。

 近年、経済のグローバル化に伴い、川崎市からも東南アジアに進出する中小企業が増えている。文部科学省の助成などを受け2004年からアジアの現地中小企業の実態調査に取り組んできた専修大学も、こうした流れを後押しするため、13年に川崎商工会議所と覚書を締結。タイやベトナムなどメコン5カ国における現地中小企業や日系企業の動向に関する共同調査を開始した。

 その後、14年に文科省の「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に採択されたことを受け、同大学は新たに「アジア産業研究センター」を設立。川崎商工会議所との連携も継続しつつ、2018年までの5年間を期限に、現地の物流状況なども含めて調査を進めている。

【「地に足のついた情報」を重視】

 アジア産業研究センターは、これまで4回の現地調査を行った。同センター代表を務める商学部の小林守教授は、「この調査では、“地に足のついた情報”を重視している」と語る。実際、現地調査ではベトナムとラオス間の道路をバスで20時間以上かけて往復したという。「自らの目で現地をしっかり見ることで、精密部品まで運べるような道路状況か、どのくらいの速度で運搬できるかなどを確認した。現地の法制度などを調べるだけでなく、そうした点にまで迫ってこそ、本当に中小企業に役立つ情報となる」。

 その上で小林教授は、「一般的に、中小企業の経営者や社員は『蛇口から出る水の透明度はどのくらいか』といった細かい点に対して鋭い感性を働かせるのに対し、われわれ研究者はマクロの経済構造への関心が強い」と指摘。「両者が協力して調査を進めることで、現地の実態により深く迫ることができる」と
強調する。

 アジア産業研究センターでは、専修大学が協定を結んでいるメコン地域の各大学から研究者を招き、現地のビジネス環境に関するシンポジウムも開催している。こうした場を通じて、例えばベトナムとラオスの研究者同士の間で協力体制が築かれるなど、この事業がメコン諸国の関係強化に果たす役割は大きい。今後、専修大学が東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と日本をつなぐ中小企業研究のハブ的な存在へと成長していくことも期待される。

【Access】
〒214-8580 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
URL http://www.senshu-u.ac.jp/

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【大学の国際化最前線】ビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)

起業志望者らを育成 「新興国ビジネスコンテスト」

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(写真:プレゼンテーションを行う青木さん)

【オンライン制の大学】

 新興国や開発途上国を対象とするビジネスへの関心が高まる中、2010年に開校したビジネス・ブレークスルー大学は、そうした新領域に挑戦する起業家の育成に取り組んでいる。
 新しい分野を切り開くグローバルなビジネス人材の育成を目的に、経営コンサルタントとして著名な大前研一氏によって設立された同大学では、現在、多くの起業家志望の学生が学んでいる。カリキュラムは、経営基礎知識や問題解決能力の育成、ITや英語などが中心であったが、ここに2011年から12年にかけ、ソーシャルビジネスや新興国ビジネスに関する講義が次々と加わっていった。開講の背景として、学部企画広報室の石渡諭氏は、「日本では少子高齢化による市場や労働力の縮減が続いており、今後は新興国に進出していかなければならないという危機感が広まっているため」と語る。

 同大学の大きな特徴は、実践性の重視だ。例えば、2012年に開講された「新興国ビジネス事例研究」では、新興国でビジネスに取り組む現役の経営者から話を聞いた上で、学生たちが自らビジネスプランを立案する。その際、ターゲット層へのヒアリングが求められるが、場合によっては現地調査まで行うという。
 
 また、インターネット環境にいればどこでも受講できる100%オンライン制であることも、同大学の大きな特徴だ。講義は映像コンテンツとして配信され、講師と学生の間で共有されるネット掲示板も活用することで、受講者間のコミュニケーションを図っている。
 この特徴を生かし、東南アジアなど海外で生活しながら受講している学生もいるという。石渡氏は、「現地に滞在しながら学ぶことができる本学は、新興国ビジネスを真剣に検討している人にとって、うってつけの学びの場」だと強調する。

【アクター巻き込む】

 同大学は、新興国ビジネスを志す起業志望者にさらなる刺激を与えるべく、2013年1月から2月にかけて、「ディベロッピン!新興国ビジネスコンテスト」を開催した。

 同コンテストでは、新興国や、開発途上国におけるビジネスプランを学内外から広く募り、その新規性や実現可能性について競い合った。募集期間は3週間程度と短かったにもかかわらず、応募数は、ツイッターにアイデアを投稿する「アイデアツイート部門」で180件、本格的なビジネスプランを審査する「本エントリー部門」で120件にも上った。なお、応募者の中には、ITベンチャー企業の社員など、普段の仕事では新興国や開発途上国と直接かかわることがない人も多く見られたという。
 「本エントリー部門」の最優秀賞に選ばれたのは、東京大学大学院工学系研究科の青木翔平さん。青木さんは、ガーナを数回訪れた時の経験から、現地の工業高校で学ぶ学生の製品開発力を強化すると共に、技術力不足に悩む現地メーカーにインターン生として派遣するビジネスを提案。現地の学生への聞き込みに基づく高い実現可能性を有している点が評価されたという。青木さんは、賞金30万円を授与された上、同大学の人的ネットワークを活用した事業化支援を受けることができる。
 
 今後、同大学では、新興国ビジネスに関する講義やセミナーをさらに増やしていく予定だ。
 なお、このコンテストは、日本貿易振興機構(ジェトロ)や多くの企業から後援・協賛を受けた。「このコンテストをきっかけに、さまざまなアクターを巻き込み新興国ビジネスのムーブメントを作っていきたい」と石渡氏は抱負を述べる。同大学の試みが、日本の新興国ビジネスを多様な側面から加速していくことが期待される。

【Access】

URL http://bbt.ac/

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筑波大学大学院 ビジネス科学研究科/国際経営プロフェッショナル専攻

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世界最高レベルのMBA教育

【学生の声】

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ビジネス科学研究科・国際経営プロフェッショナル専攻 山田 裕一さん  

 大学卒業後に国内の食品メーカーで経営企画や外資系医薬品メーカーで経理などの業務を経験しました。キャリアを重ねていくうちに、マネジメント能力が求められるようになっていったのです。  
 そんな私がここを選んだ理由は、あくまで実業志向のカリキュラムが組まれており、他のMBAコースにはない魅力を感じたからです。平日夜間と土曜日に授業が行われていることなど、仕事をしながら集中して学べる環境が整っていたことも大きな魅力でした。そして何より家族の理解と支援が得られたことが学業を継続していく力になっています。  
 講義はすべて英語で行われているため苦労を伴うことも多いのですが、国際的な視点に立ったビジネスとアカデミックの融合こそ、これから時代に求められる本物のスキルではないでしょうか。

【教授の声】

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ビジネス科学研究科 国際経営プロフェッショナル専攻 大野 忠士教授

グローバルリーダーを育成

 民間企業が持つ技術やノウハウ、あるいは経済活動そのものが、開発途上国や新興国が抱える開発課題の解決に大きく貢献するという認識が広く共有されるようになっている。また現在、日本経済の復興、発展・成長のためには、国際的に活躍するグローバル人材を育成する必要性が指摘されている。 こうした中で、急速に変化する経営環境に対応するグローバルリーダーを育成するため、2005年にMBA(経営学修士)取得を目指す専門職大学院として設置されたのが国際経営プロフェッショナル専攻だ。 同専攻でファイナンスやマクロ経済学を教える大野忠士教授は「国際的にも最高水準のMBA教育を提供するため、専任教授の約4割は外国籍で、日本人教授も含めその全員がさまざまな分野で豊富な研究や国際的なビジネス経験を持っているほか、海外の有名ビジネススクールから毎年10人ほど講師を招へいし、集中講義を行っています」という。また、学生の2割ほどがさまざまなバックグラウンドを持った留学生であり、授業も100%英語で行われている。
 カリキュラムは、ビジネススクールの基盤である「組織経営」と「事業戦略」に加え、本プログラムの特徴である「国際対応」「応用情報」の4領域で構成。国際対応領域では国際ビジネスに必要な法的知識や国際金融市場の動向、異文化理解や多国籍組織のマネジメントなどを、応用情報領域ではデータ分析や市場調査をする際に必要な数学や統計学、プロジェクトマネージメントなどを学ぶ。こうしたカリキュラムを通じて育てる人材像は、リアルな世界で活躍できるリーダーだ。
「国際協力の世界でもビジネスの世界でも、本当に役立つスキルがなければ何もできない。“心温かい人”というだけでは、貧困削減や社会経済の発展に貢献することはできない」と大野教授は指摘する。  
 また、国際経営プロフェッショナル専攻では、テレビ会議システムを通じて海外のビジネススクールとの連携講義を開講。これまでにインドネシア大学、フランスのグルノーブル大学の教員や学生らとディスカッションやグループワークを行ってきた。 「ただ単に世界最高水準のMBA教育ということではなく、実践力を養うことに大きな比重を置いた特色あるカリキュラムが用意されています」と大野教授。「異文化環境に積極的に身を置き、本当の実力を養いたいと考える人に来てほしい」と話す。  開講から8年目を迎え、国際経営プロフェッショナル専攻の修了生は現在、世界中の民間企業や公的機関、NGO・NPOなどで活躍している。  学生はこうした機会を通じて異文化対応能力を身に付けていく。さらに同専攻では、最終学期の3カ月間、ビジネスプロジェクトとして国内外でのインターンシップや論文作成にも取り組んでいる。

【Point】

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IRCでさらなる実践力を磨く 2010年に初出場初優勝

 国際経営プロフェッショナル専攻で学ぶ学生でチームを構成し、2010年から「CFAインスティチュート・リサーチ・チャレンジ(IRC)」へ参加。この年、国内大会で初出場・初優勝という快挙を達成している。  
 IRCは、米国に本部を置く国際的な証券アナリスト協会であるCFA協会が次世代のアナリストを育成することを目的に毎年開催。学生チームが証券アナリストやファンドマネージャーの指導の下、企業評価を行い、その調査・分析能力を競うというものだ。IRCに出場する学生にとって、常日ごろ学ぶ金融や経済の理論、分析技法、プレゼンテーション能力に磨きをかける貴重な機会となっている。

【スキルを身に付ける】

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知識をスキルに! 国際交渉力強化プログラム

 グローバル化した現代社会では、世界の人々が共生できる持続可能な環境と社会・経済開発を実現していかなければならない。そのために必要なのは、さまざまな利害や価値観が複雑に絡み合う場で通用する国際交渉力を持ったリーダーの育成である。 こうした背景から、2011年に新たに開始されたのが国際交渉力強化プログラム(GNP)だ。  
 ここでいう国際交渉力とは、国際的な交渉や対話の場でリーダーシップを発揮し、合意を形成しながら問題を解決していく実践的な能力のこと。MBAで学んだ専門知識を実際の仕事で生かすために必須な能力でもある。 GNPはビジネス科学研究科のほか、人文社会科学研究科と人間総合科学研究科の3学科共同プログラムとして実施。共通必修科目として「戦略的交渉論」が設定されているほか、3学科群で計18もの特色ある選択必修科目が用意されている。こうした講義に加え、さらにGNPを魅力的なものとしているのがプロジェクト実習科目だ。例えば国際ビジネス系の実習では、毎年、政府開発援助(ODA)の現地調査を行っている。この調査では、貧しい人を助けるといった開発援助のポジティブな面だけでなく、効率性や戦略性の不足といったネガティブな面も見つけてもらい、それをビジネス的な視点から改善策を考えていく中で、知識と実践をつなげ、スキルとして身に付ける場となっている。  
 「学生たちにクールヘッドとウォームハートの両方を持ち合わせることの重要性に気付いてほしい」というのが、この現地調査の最大の狙いだ。

サーティフィケイトを授与 このプログラムを追加履修することで、MBAに加え、国際交渉力に関する課程を修了したことを証明するサーティフィケイトが授与される。

eラーニングシステムを活用 選択必修科目を中心にeラーニングシステムを最大限活用。時間的・空間的な制約の多い社会人学生に学習しやすい環境を提供している。

【School Data】
取得可能な学位:修士(国際経営学)(専門職)
定員:30人
開講形態:平日夜間、土日
奨学金:なし(ただし授業料減免制度あり)
主な進路:大半が所属先の会社・機関で継続して勤務(メーカー、証券、保険、国家公務員、大使館など)

【Access】
〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1
TEL 03-3942-6918  FAX 03-3942-6835
E-mail inquiry07@mbaib.gsbs.tsukuba.ac.jp
URL http://www.mbaib.gsbs.tsukuba.ac.jp/index_j.html
交通 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」から徒歩3分

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横浜国立大学大学院 国際社会科学府 国際経済法学専攻

【学生の声】

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国際社会科学府 国際経済法学専攻 博士課程前期1年 田中 美咲さん

法学と開発を同時に学び 国際機関での活躍目指す

 学部時代は国際人権問題の弁護士を目指して、法律を学んでいましたが、2年生の時に「法整備支援」という国際協力分野に出合い、それ以来ミャンマーやラオスなどの法整備に関する研究を続けるとともに、関連するセミナーや研究会にも積極的に参加してきました。  
 また、実際に現場を体験したいという思いから、国際的な人権問題に取り組むNGOにインターンとして飛び込み、第一線の弁護士やスタッフのみなさんと一緒に活動させていただいたことも、貴重な経験になっています。仕事とプライベートの区別なく、とにかく全精力を挙げて活動に取り組むスタッフの皆さんから、タフな精神力と覚悟のようなものを学びました。もっと専門性を身に付けなければと痛感し、大学院進学を決めたのも、この時の経験が大きかったと思います。  
 横浜国大大学院に進学したのは、「法学」と「開発」の両方を学べるためで、これが本学の強みだと思います。先生方は実務経験を積んだ若い研究者が多く、それぞれのバックグラウンドを背景に、さまざまな意見を聞くことができます。授業は多くの留学生を交えた「参加型」で進められ、事前に何を準備して臨むかが大事なポイントです。  
 私は国際法に軸足を置き、この分野で修士論文を書く予定ですが、インターンシップや大学が推奨するフィールドワークにも積極的に参加して専門性をさらに磨き、将来は国際機関で法律にかかわる仕事をしたいと考えています。

【教授の声】

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国際経済法学専攻(国際協力論担当) 小林 誉明 准教授

 開発途上国の“国づくり”の成否は、資源の配分を上手にかじ取りできる公共部門の制度的能力、いわゆるガバナンスにかかわっていると言われます。ガバナンスは、その国の人々にとって適切なルールや政策を「決定」して「実行」し、「適用」する過程に分解できますが、この一連のプロセスは、立法・行政・司法として相互に関連しています。例えば、どんな適切な法律を策定しても、それを実行する行政官が育っていなければ絵に描いたモチになるし、どんなに効果的な行政制度が整備されたとしても、その行為の適法性を適切に判断する能力が司法に備わっていなければ機能不全に陥ります。  
 こうした「ガバナンスを見る眼」を習得するには、政治学、行政学、法学を系統的に修める必要があります。国際開発ガバナンス教育プログラムでは、開発政治、開発行政、開発法、国際政治、国際行政、国際法の教員を配置し、ガバナンス分野の専門人材となるための高度なトレーニングを提供しています。

【Point】 「国際開発ガバナンス」教育プログラムを新設

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 横浜国立大学大学院・国際経済法学専攻は、東日本における国際開発研究の拠点だった国際開発研究科を前身とする。その伝統を踏まえ、博士課程前期には、新たに国際開発分野の専門家を養成するプログラム(EP)として「国際開発ガバナンスEP」が2016年度から開設される。このプログラムでは、途上国開発に関する政治学、行政学、法学、国際協力論などの基本的知識や方法論などを1年次にキャンパス内で集中的に履修し、2年次に国内外でのフィールドワークやインターン活動に参加して、実践的な知識を習得する。教員派遣を含め密接な協力関係にある国際協力機構(JICA)をはじめ、援助機関や国際機関との連携により、研修などの機会が提供される。
 博士課程後期には、経済学や経営学まで含めた学際的視点から国際開発を習得するプログラムとして「国際公共政策EP」が用意されており、国際公共政策を軸に途上国開発を学べる日本でも数少ない博士課程となっている。
 また、博士論文基礎力考査(QE)コースによって、博士前期・後期を一貫した形で終了することが可能である。QEコースを、国際開発分野の専門家になるための“最短ルート”として活用できるのも魅力と言える。

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㊤多くの学生が参加するフィールドワークでのセミナー
㊦学生らによるネパール大地震の募金活動

School Data】
取得可能な学位 修士号(法学、国際経済法学)/博士号(法学、国際経済法学、学術)
定員 博士課程前期25人/博士課程後期8人
学費 53万5,800円(授業料)
奨学金 あり

【Access】
〒240-8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79-1
TEL 045-339-3660(ダイヤルイン)
E-mail int.houka@ynu.ac.jp
URL http://www.gsiss.ynu.ac.jp/   
http://www.iblaw.ynu.ac.jp(国際経済法学専攻サイト)

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山口大学大学院 経済学研究科 経済学専攻 公共管理コース

【学生の声】

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(写真:公共管理コースで学ぶアジア、アフリカなどの留学生たち)

開発途上国の行政官とともに 地方行財政や地域活性化を学ぶ

 山口大学大学院・公共管理コースは、2002年に外国人留学生を対象として開設され、すでに13年の実績がある。これまでに東アジア、東南アジア、南アジアおよびアフリカ地域から合計58名の留学生を受け入れてきた。本国では行政官あるいは大学教員の職にある留学生が多く、帰国後はそれぞれの組織に復職して、母国の社会経済発展に貢献している。  
 公共行政管理は、開発途上国の発展にとって極めて重要なテーマである。本コースでは、途上国の公務員や国際協力に携わる人材に必須の科目が充実しており、経済学、財政学、経済統計学、経済数学、行政法、公共行政学、国際協力、プログラム評価、日本語など多岐にわたる科目を、それぞれ理論と実務に精通した教員が担当している。  
 途上国からの留学生にとって最も魅力的なのは、大学の講義に加えて、中央官庁・政府機関(外務省、財務省、総務省、厚生労働省、国際協力機構=JICA、ジェトロ・アジア経済研究所など)で研修を行い、さらに山口県内の地方自治体(県庁、市役所)や企業を訪問して、実務担当者から話を聞く事ができる点である。  
 2011 年からは、本コースの開設 10周年記念事業の一環として、日本人学生の受け入れも開始した。もともとは途上国の学生のためのコースだったが、将来的に途上国で活躍したいという意志を持つ日本人の学生、公務員、民間企業、NGOの関係者にとっても、最適かつユニークなカリキュラムとなっている。

【教授の声】

ProfYamaguchi
経済学研究科 公共管理コース委員長 馬田 哲次 教授

 山口大学は1815年(文化12年)、長州藩士・上田鳳陽によって創設された私塾「山口講堂」を源流とし、東京大学、東北大学に次ぐ3番目に古い国立大学です。2015年はちょうど「創基200周年」を迎え、現在では9学部9研究科から成る基幹総合大学になりました。  
 山口は明治維新の原動となった地です。その新たな世界へのチャレンジ精神は、大学の理念「発見し・はぐくみ・かたちにする 知の広場」に受け継がれ、今も多くの人材が輩出しています。  
 本研究科の公共管理コースは、公共行政管理に関する講義をすべて英語で受けることができる日本国内では数少ない大学院です。山口県という地域の特性を生かした地方行財政、地域の活性化、観光開発、地域防災や環境保全、国際協力など幅広い分野の知識と経験を学べることが本コースの魅力のひとつです。途上国からの学生が研さんを積む学び舎に、日本人学生の参加を待っています。

【Point】 グローバル人材を育む新学部・新コース

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 山口大学は全学をあげてグローバル人材育成に力を入れており、2015年度は新たに「国際総合科学部」を設置した。同学部は国際社会や地域社会が直面する諸課題を解決し、新しい価値、新しい社会を創造する人材を育てることを目的としている。幅広い学識とその活用能力を習得するとともに、現代社会に欠かせない科学技術の基本的理解を促進。こうした学びを基礎として、具体的な課題について学生自身が解決策を考える科目も用意されている。また、フィールドワークや語学研修、海外留学、企業や自治体と連携した「プロジェクト型学習」などの実践的プログラムを通じて、コミュニケーション能力、課題解決能力、企画力、実践力を鍛えていく。  
 また、経済学部は今年度、経済学科の中にグローバル社会に貢献する実践的な経済人を育てるための「公共管理コース」を設置。新たに国際公共管理論など英語による講義や、留学希望者に対して短期留学のチャンスを増やす仕組みを用意している。さらに既存の大学院(経済学研究科)公共管理コースとのスムーズな接続を考慮して、大学院進学時に履修単位が認められる「大学院講義先取り履修制度」を整えている。

㊤豊かな自然の中に展開する広大な吉田キャンパス

【School Data】
取得可能な学位 修士(経済学)
定員 16人
学費 26万7,900円(半期、入学金28万2,000円除く)
奨学金 あり

【Access】
〒753-8514 山口市吉田1677-1
TEL 083-933-5500
E-mail ec192@yamaguchi-u.ac.jp
URL http://www.yamaguchi-u.ac.jp/