ベトナムでのCSR事業 日系企業の学校建設

 1月下旬、ベトナムの首都ハノイを訪問。日本のベトナム商工会の幹部に会いました。ベトナムキャノンは1万8,000人を雇用する大手企業です。雇用を通しての「貧困削減」効果は大きいですね。しかも、目に見える効果ですから日本への感触も良くなり、日本の影響力も大きくなりますね。なかには「安い労働を使って儲かっている」と皮肉る向きもいますが、一般の人びとは生活がかかっていますから懸命です。

 それでも日系企業は儲けの一部をベトナム社会に還元したいと考え、CSR(社会貢献事業)を行っています。ベトナムキャノンは毎年10校の学校建設を行っていますし、ベトナム商工会の金融部会長を務める“みずほベトナム”もCSRとしての小学校建設を計画中の様子です。

現地銀行員100人にアンケートで学校建設協力の意義を問うたところ、全員が「ここに勤めることに誇りを感じます」と返答したそうです。CSRは日系企業がこの地で商いをするうえで、いかに重要な意味をもっているかを問うている貢献援助だと思います。それが結果として、ベトナム社会の発展につながれば、二重の意味と意義をもっているのではないでしょうか。

 現在、CSRの全貌は日本で掌握できませんが、現地に行くと、そこに進出した日系企業単位で独自のCSRを行っているようです。ですから、NGO関係者もBOPビジネス関係者も現地密着型でCSR事業をサポートしてはいかがでしょうか。